垂直落下式サミング

提督の艦隊の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

提督の艦隊(2015年製作の映画)
3.7
英蘭戦争を戦ったオランダの英雄ロイテル提督の活躍を描いた戦記。
美術にはかなり気合いが入っており、当時の町並みや、人々の衣装、建造物の内装などをよく再現している。当然の軍艦の船内も実際にセットで骨組みを組んであるようだ。
信号旗を速やかに上げる訓練や、帆船の建造風景などというような、細々したディティールを映像で実際に見せた上で、大海戦の場面へとスピーディーな省略をしてくれるので、軽くみるアクションとしては調度いい。
戦闘体勢をとったまま敵の船と横並びになるまで指示を待つ帆船の戦いは、乗組員の緊張と恐怖が持続し続ける。そんな状況で、ロイテル提督は毅然として指示を出し、乗組員たちに檄をとばすのである。砲撃を受けた甲板が弾けとぶ様子は、『ジャッカス3D』以来の野蛮さだった。
17世紀には海洋貿易で潤っていたオランダ(当時はネーデルランド連邦共和国)。鎖国していた日本が唯一貿易をしていた国だ。
このあと、敗けてしまうのがわかっている映画を観るのはなかなか辛い。