シャーマンズ・マーチを配信している動画配信サービス

『シャーマンズ・マーチ』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

シャーマンズ・マーチ
動画配信は2024年5月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次

シャーマンズ・マーチが配信されているサービス一覧

『シャーマンズ・マーチ』が配信されているサービスは見つかりませんでした。

シャーマンズ・マーチが配信されていないサービス一覧

Prime Video
U-NEXT
DMM TV
Rakuten TV
FOD
TELASA
Lemino
ABEMA
dアニメストア
Hulu
Netflix
クランクイン!ビデオ
JAIHO
ザ・シネマメンバーズ
スターチャンネルEX
みるアジア
WOWOWオンデマンド

『シャーマンズ・マーチ』に投稿された感想・評価

[傍観者として総てを見ていたが故に何も見えていなかったマケルウィーと女たちのマーチ] 100点

ロス・マケルウィーというおっさんが、何を思ったかシャーマン将軍の"海への進軍"が南部地域に与えた影響を撮ろうと思い立つが、出発直前に突然カノジョが去ってしまい、取り敢えず地元である南部に戻ることにする。そして、彼の目の前を多くの女たちが通り過ぎる。昔なじみのメアリー、女優志望のパット、インテリアデザイナーのクラウディア、言語学者のウィニー、元カノのジャッキー、教師のディーディー、ロック歌手のジョイアス、元同級生のカレン。マケルウィーはホームビデオ並の近さで彼女たちの生活を切り取り、日記並のパーソナルな独白とシャーマン将軍への興味(というか最早強迫観念)によってそれらを繋いでいく。実際のところ、シャーマン将軍の"海への進軍"は述べたとおり糊付の意味で存在するに過ぎず、マケルウィーと女たちのマーチを中心に語られる。

そして、マケルウィーは気付く。カメラをもって総ての真実を記録し総てを見ていたはずのマケルウィーは、実は自分の目では何も見えていなかった。つまりは、自身の体験すら傍観者として"見ているだけ"になってしまっているということ。自分の人生の傍観者になるという事象は非常に共感してしまった。人生疲れてる私にとっては心に染みる映画となった。
カメラを持つと編集のことを考えてしまうとはYouTuberみたいな発言だがマケルウィーも同じであることが窺え、最早ろくすっぽ話も聴いてないんじゃないかと思えるほど"画"をキメにいっている場面もあった。

本作品で明らかになるのが"海への進軍"が世界に遺した影響の一つとして挙げられる"核戦争"への恐怖だ。"海への進軍"とは、シャーマン将軍が南北戦争の北軍将軍時代に行った、ジョージア州からカロライナ州にかけての焦土作戦のことである。20世紀の総力戦を予見するような作戦であり、これによって「バリー・リンドン」のような戦闘は金と人数で殴り合う大戦争に進化を遂げる。となれば、20世紀後半における総力戦とは冷戦であり、ベトナム戦争に負けたアメリカが抱える核戦争に対する潜在的な恐怖はアトランタでシャーマンの報を聞く南部人のそれよりも上かもしれない。こういうとき、人は既存の流動的観念から原理主義に立ち戻ることも多く、劇中核シェルターや陰謀論者のセーフティハウスのような場所が多く出てきていた。80年代アメリカはこういう空気感だったんだろう。

空っぽの部屋に始まりオーケストラで終わる"女たちのマーチ"によって、マケルウィーも我々も成長する何とも教育的な映画であるが、何よりも楽しいのが「David Holzman's Diary」で投げられた"映画は真実を映すのか"という疑問を"1001の映画"の中で回収しているということ。あんな本に物語があるなんてロマンで溢れてるじゃないか。

追記
バート・レイノルズに取り憑かれてるのもウケる。そして、もう恋なんてしないと言った5秒後くらいに先生カワイイって言ってるのもウケる。
マルセル・オフュルスの作品やテリー・ツワイゴフのクラム等、死ぬまでに見るべき映画1001本の中には撮り方とかの点で自分の好みと言い難い作品が結構含まれている印象があったけど、残念ながらこの映画の個人的にそういうものの一つとなってしまった。

冒頭のフィックスでのロングショットは良かったのだけれど、それだけに以降の他の場面は私的でホームビデオっぽい撮り方ばかりとなっていたので、映像として惹かれるものが殆ど無くて哀しい気持ちにすらなった。

内容に関しても、元々撮ろうと思っていた歴史的主題からプライベートで関係のある女性についてのものに移り変わっていくっていうのは面白かったけど、ナレーションや人物の語りが多くてフレデリック・ワイズマン作品程の画面の引き締まりも無かったこともあってか興味が途中で薄れることも屡々だった。

風変わりと言えば風変わりな記録映画ではあったとはいえ、記録映画の市民ケーンと形容されるのはちょっと理解に苦しむ。(その形容が似合う作品はプライマリーとかチチカットフォーリーズとかリトアニアの旅への追憶とか他にもっとあると思う)
CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

3.0
【日記映画の『市民ケーン』と邂逅】
『死ぬまでに観たい映画1001本』は私の聖書であるが、原題表記の作品ページは読んでいなかったりする。

最近、『死ぬまでに観たい映画1001本』フルマラソン中の猛者と友だちになり、情報交換する中で、本作について熱くオススメされた。本作は日本語のレビューはほとんどない作品だ。

日記映画の『市民ケーン』てして、掲載されている本作は、人生のLIKE A ROLLING STONEな魅力を《映画》という媒体で押し広げた作品だ。

タイトルにもなっている《海への進軍》にロス・マッケルウィーが着目する。そして、ウィリアム・T・シャーマン将軍の行為が1980年代当時の南部に如何に影響を与えているかのドキュメンタリーを撮ることにする。しかしながら、撮影直前にカノジョに振られ、悲しみを癒す旅がカメラに収められることになるのだ。そして、《映画を撮る》という行為がセラピーになっていく。

最近、よく語る自慰映画である。それもカルロス・レイガダスの『われらの時代』に近い、ひたすら女々しく自問自答するタイプの作品だ。しかし、圧倒的にこちらに軍配があがる。

それは、ドキュメンタリーのコントロール出来ない未来に向かってどう着地を見せるのか?という旨味を最大限に引き出しているからだろう。そして、レイガダスに比べ、女性に対する執着があまりに異常で、その露骨なカメラワークに魅力を感じたことによる。

ロス・マッケルウィーが貪欲な開拓者or侵略者ウィリアム・T・シャーマンに成り果て、失った女性の面影を追いまくる様子にニヤニヤ。あっという間の2時間半でした。