砂

光りの墓の砂のレビュー・感想・評価

光りの墓(2015年製作の映画)
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ムヴィオラで配信してると知り、これは逃せないと鑑賞。
前回観た「世紀の光」同様の手法が踏襲されていたり、仏教的な輪廻的世界観…と紋切りでは安直で微妙に外してる表現になるけど、とにかく作風がこれでもかと明示されている。

この人の作品の理解し難さが理知的な小難しさに起因するものではなく、もっと漠然とした感覚的な相違にあるのかもしれないと思う作品だった。
モチーフやカットから解釈して…という映画的な理解の外にある、もっとプリミティブな領域で。
それでも随所にオォッと捻ったカットを入れてくれてたりしているから、単純に映画として心地がいい。長回しや動きのないカットで眠くなる、というよりは非常にリラックスした心持ちで観られた。しかし時々入る謎カットや謎演出は天然の証なのだろうか…?前回もあった、集団の体操シーンはなんだろう…?
あと、音楽の力技はまたもやで笑ってしまった。

とかく言葉で言い表すことに難しさがあり、分析するのも重要な何かを損なう気がする。また新作が出たら観たいし、本邦未公開作品もぜひ公開してほしい次第。
砂