凜

なぜ君は絶望と闘えたのかの凜のレビュー・感想・評価

なぜ君は絶望と闘えたのか(2010年製作の映画)
4.0
ノンフィクションライター門田隆将氏による光市母子殺害事件を丹念に描いた映画。

当時、そのあまりにも幼稚な供述内容がメディアを賑わせていたのを忘れない。
何年か前に、関西のテレビ「そこまで行って委員会NP」に本村さんが門田氏とともの出演され、少年犯罪と実名報道、死刑制度などについて話されていたので、いわゆる在京メディアより少し深く知ることができていた。

門田氏は取材対象にのめり込みすぎるきらいがあると感じるものの、Fukushima50の原作『死の淵を観た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日』でもわかるように、丹念な取材と情熱を作品に昇華させる能力は称賛に値する。

事件から四半世紀がたとうとする今、司法はどれくらい変わっただろう。
裁判員裁判でどれだけ民意を反映させようとも、最高裁でひっくり返す。
謎の大弁護団が徒党を組んでマスコミ向けの会見を開く。

映画の中で柄本明氏演じる弁護士が放った一言にすべてが現れている。
凜