ちゃ鍋

フィルムのちゃ鍋のネタバレレビュー・内容・結末

フィルム(1966年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

『批判と臨床』でドゥルーズがべた褒めしているので気になり見た。
ドゥルーズが言っていた通り、バークリーの「存在するとは知覚されることである」を下敷きに、私はあらゆるものの視線を受け、あらゆるものに知覚されているということベースにした作品。この知覚から逃れるため主人公を知覚する視点を遮ろうと四苦八苦するものの、当の映画のカメラ自体は主人公の視界に入らないように巧妙に動いているというのが面白い。
この作品に出てくる壁、鏡などといったものは実存主義や不条理の哲学でありがちな寓意なので、映画自体にはもちろん、このような個々のものにも不条理劇作家の片鱗を感じた。
ちゃ鍋

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