とびん

リップヴァンウィンクルの花嫁のとびんのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

とある女性の過酷な人生。

美しかった。
女性の、人間の繊細な部分を映像に収めたかのような映画で、主人公に秘められた感情が画面を通して伝わってきて、痛々しく、綺麗だった。
映像が綺麗っていうのもあったんだろうけど、それだけじゃなくて、演者の演技力もあったからだろうなあ。
ずっと、綾野剛が怪しいと思っていたが、やはり何かあったなあ。
なにかあったけど、それを知ってもなおどこか憎めないところがあった。
やってることは極悪だけれど、可愛いらしいところがあって、魅力的だった。
黒木瞳が夫に見捨てられ、途方に暮れているところが印象的だった。
あそこのシーンで救われた人も多いんじゃないだろうか。
日常的な絶望がそこにあって、でも、それでも、人間なんとかなるんだとか考えると、救われる。
俺が楽観的なだけかもしれないけど笑
主人公の些細な描写にも、健気さと不器用さと繊細さが交っていて、見ていて胸が洗われるような気持になった。
不器用な人間には、刺さる映画だったと思う。
とびん

とびん