はっさく

リップヴァンウィンクルの花嫁のはっさくのレビュー・感想・評価

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3時間と久しぶりに長編の邦画
観よう観ようと思って何回も素通りした作品をやっと

岩井俊二監督の世界観は僕の中で今も謎めいている
カメラワークも独特でドキュメンタリーのように描写されている
花とアリスを観ているようだった
多くを語らず、観る者がそれぞれ作り上げる世界観とでも言おうか
時間軸やストーリーの一貫性とゆう枠にとらわれないからこそ描き出せる世界観なのかもしれない
ただ、黒木華演じる七海の鬱屈した毎日に色を添える役者たちの優しい嘘や誘惑に納得しながら観進めていくうちに言わんとしている事が少しわかったような気もする

東京と名の付いた広野に放たれた人間たちが踠き、足掻きながら幸せを探すロードムービーだとすれば、これは見方を変えると幸せの落としどころを探す旅だとも言える
ふとした瞬間に押し寄せる幸せの波に人は上手く乗れない、だからもっといいことがあると明日を信じて生きていく

リップヴァンウィンクル=時代遅れの人

幸せだったんだと気づくのは
ずっとずっと後になってからだ
その余韻に浸れたならそれも幸せだ
はっさく

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