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リップヴァンウィンクルの花嫁のkのレビュー・感想・評価

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岩井作品の中でも特に好きな作品の一つ。(かなり重い内容なので見返す頻度は少なめですが、、)
序盤、にたどりさんがキャバクラで働いていることに対して困惑したり、初めて見たアダルトビデオに衝撃を受けて塞ぎ込んでしまったような(ドラマ版)七海が、AV女優の真白と出逢い、職業を知っても尚愛したこと。それから、「あまりにもあっさり手に入った」好きでも無い男と結婚出来るくらいやわだった七海が、一緒に死んでも良いかもしれないと思えるくらい愛せる相手と出逢えたこと。この七海の変化が、本作品の大きく伝えたい部分だったのかなと感じた。
結納や結婚式の気持ち悪さがリアル。リップヴァンウィンクル=時代遅れ←このこと?
七海が真白と初めて出会ってから、再び出会い、その後一緒に暮らし始める、辺りの仲良くなる過程の表現が素晴らしかった。七海の性格や出会ってから再び出会う迄の期間を考慮すると違和感がありそうなのに、距離感の縮め方に一切違和感を感じなかった。凄い。
真白母の目を背けたくなるような痛々しい演技はりりィにしか出来ないと思う。同シーンで、真白母に続いて裸になった安室が七海にも服を脱ぐことを促した時、七海がここで脱ぐ筈無い、、と思っていたら、肩の部分が少し乱れてブラ紐が見えた状態になっていて、この塩梅が丁度良くて秀逸だった。
結局、全て安室に操られていたわけだけれど、、言いたいことも言えず押されっぱなしだった七海が、真白との出逢いと死を経験し、ちょっぴり強くなった。そして、真白との生活の記憶や欠片(金魚等)と共に再び生活し始める。七海が安室と出逢ったことは結果良かったのではないかと思わざるを得ない。
絶望を全部抱きしめて最後は温かい気持ちになれた。
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