えみ

リップヴァンウィンクルの花嫁のえみのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

映画って「時代を問わずに楽しめる作品」とそうではない作品があるけど、この作品は後者だと思いました
今の時代、今の感覚だからこそ心に残る作品。特にSNSとの距離感で感情移入出来る人はこの作品が深く心に響いたと思います。

ここから内容にもうちょっと触れます
色々な意味で嘘をつきながら生きている人達が交わり合うというテーマは、どうかすると滑稽であったり、痛々しかったりしてしまうと思うんだけど、映像美と独特の雰囲気によって、むしろファンタジックな印象を受けました。
メインキャストである3人もそれぞれ「胡散臭さによる、嘘つきの雰囲気」「事なかれ主義や、自己主張出来ない性格による、嘘つきの雰囲気」「強がりの明るさによる、嘘つきの雰囲気」を感じました(観た人に、どれが誰を指すのか伝われば幸いです)

みんな嘘つきですが、あの二人はあの夜確かに本音で繋がりあえたと思えます。
彼の涙はどうなのか分かりませんが、どこにも本音が無かったとしたら、それはそれで内面なんだと思います。

繰り返しになりますが、現実的な泥臭さを、不思議な雰囲気で包み込んだ、不思議な空気の作品でした。
なぜ自分がここまでハマったのかは分かりませんが、今年一番心に響いた作品です。
えみ

えみ