ふじこ

コンカッションのふじこのネタバレレビュー・内容・結末

コンカッション(2015年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

Netflixの魅力のないページカバーとあらすじに全く期待せずに観たら面白かった。

とんでもない学歴を持つ優秀な病理医のDr.ベネット・オマルが、元NFLの選手を病理解剖した事により生まれた疑念を元に、NFL選手特有とも言うべき危険な病を発見、周知させようとするが…てお話。

アメフトの事は正直何一つ知らないけれど、危険なスポーツだって事くらいは知っている。骨は折れまくるだろうし、首もヤバそうだし、なんなら死んだりもするだろう。そして勿論脳にだって半端ないダメージだろうって事も知っていた。
しかしながら実際、40半ばや50歳で記憶が揺らぎ、不安定になり、自ら命を絶たなければならない程の障害を残すとは知らなかった。
そしてそれをNFLの競技団体全体で隠蔽していたとは…。巨額の金が動くのは分かるけれど、それをまさに生み出す選手の事はどうだって良かったんだろうか、酷すぎる。
娯楽がどうのとか言ってたけど、娯楽に命賭けろと言うんだろうか。結局はお金だろう、運営もプレイヤーも観客も。
そうだとしても、自分の将来の可能性を知らずに選手にプレイさせるのは全くフェアじゃない。

Dr.オマルはただ選手の事を考え、脳科学の事を考え、自分を信じて研究をするけれど、それを良しとしない奴らに酷い目に合わされる。
夜通し研究し、やっと見つけて名前を付け、伝手を頼って発表した成果をなかった事にしろと。そうしてまた選手たちには秘匿したまま使い倒す気で。嘘でしょってくらい非道な事を考えるよなぁ~消耗品扱いにも程がある。

紆余曲折あってなんとか選手たちに説明する機会を得て、研究も認められる訳だけれど、失ったものも多いし、それでも高潔な精神を失くさなかったDr.オマルは素晴らしかったなぁ。あと、すっごくいい人だった上司の名誉も回復されて良かったなぁ…。

奥様の描写がなんとなく半端と言うか、薄いと言うか。これなら最初からもういる体でも良かったような気がしないでもない。ただ、いい奥様だったなあ~
ふじこ

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