このレビューはネタバレを含みます
勝手に評しているのだが、これも近年続く、"演技派"ウィルスミスを堪能できる作品の一つ。
ナイジェリアから来た解剖医オマルを演じる。
遺体を患者として扱い、君の協力が必要だと語りかけると
70年代のR&B歌手テディペンダーグラスをイヤホンで聴きながら解剖を始める。
また予算を無視し、一度使用したメス等の解剖器具は全て処分するという一風変わった行動をするが、
殺人鬼に使用したメスで自分の家族を解剖されるのはいかがなものかという
死者だけでなく遺族に寄り添うことのできる善良な人物である。
そんな人物だからこそ、とある元アメリカンフットボール選手の自殺に疑問を持ち、死者と遺族の名誉のためにも、その死の解明に全力を注げたのであろう。
昨夜観た英国王のスピーチでもそうであったが、今作でもオマルの妻がいい味を出していた。
良妻賢母とはまさにである。
実話とのことで展開がいささか足早に感じる部分もあったが、
それを補う実直なオマルの魅力にこの評価とさせていただいた。
また今作はMiシリーズの長官役が記憶に新しいアレックボールドウィンが拝める。渋俳優の活躍する映画は全体がぐっと引き締まるので好み。
是非。