堊

半身の堊のレビュー・感想・評価

半身(2008年製作の映画)
1.5
サラ・ウォーターズ原作作品は『荊の城』、『お嬢さん』など映像化されている作品も多いが、本作は特にミステリ要素が強い(原作は「このミス2004」海外部門第1位)原作の映像化ということもあり、文字情報がかなり多い。薄い青の暗がりに包まれたミルバンク監獄の雰囲気や19世紀の秋を醸し出す主人公らが身を包む衣装や調度品は見ものであり、性的なニュアンスを感じさせる降霊術のシークエンスや原作小説ではいささか唐突だったラストのどんでん返しを丁寧に描いている(トリックありきになっておらず、こちらのほうがより主人公の悲壮感が染みると思う)点などは評価できるが、過度なズームや妙に安っぽいビデオエフェクトに興醒めすることもしばしば。
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