弾けてない方のポップコーン

凱里ブルースの弾けてない方のポップコーンのネタバレレビュー・内容・結末

凱里ブルース(2015年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

今までに体験したことな無い映画でした。

作品の特徴が二つあり、とてつもない長さのワンカット撮影と音響です。

しばしば通常であればカットを割るはずのところで、一体どこまで続くのかと思われるワンカットが多用されます。映像は大変退屈になりますが、ワンカットが続けば続くほど鑑賞者の時間軸と映画の時間軸が重なっていきます。
例えば登場人物AがBと話し、その後Aが別のところまで移動する間ワンカットが続き、行き着いた先でCと会話するといったような流れです。

音響について、一般的な作品ではストーリーと関係ない音響は消すもしくはそもそも収録しない手法をとりますが、この作品ではいわゆる環境音楽絶えず続いています。しかし主要な音とはちゃんと区別され整音されています。
例えば川へ向かう際、カットの初めは気づくか気づかないかくらいに薄っすらとなっているが、近づくにつれて水の音が大きくなるといった形です。

上記の2つの特徴が重なるとどうなるか。カメラが段々と自分の視点になっていき、音響効果で現場にいるような生々しい感覚を覚えます。加えて、映し出される映像の色彩がとても豊かなため、作り物ではないような映像を体験することができます。

ストーリーがイマイチピンとこない点が残念ではあります