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凱里ブルースのあのレビュー・感想・評価

凱里ブルース(2015年製作の映画)
3.7
40分長回しよりも、ラストの電車に時計の方が印象的でした。スタビライズかけすぎてぐにゃぐにゃのデジタル映像よりも、車両をフィルムに見立ててしまう古典的なセンスに驚きました。思い切って長回し辞めたら何が残るか考えた方が良いのでは...?

あまりに象徴的なものに頼りすぎなのと、まだ人の声が判別していない段階で、背格好の似た人物を口元が分からない距離で同じ画面内に入れて会話させてしまう不親切さがあって、あまりノレませんでした。

ただ、中国の山がちな地形を上手く活かした奥行きのある移動撮影が、入眠する一歩手前みたいな不思議な感覚を持続させていて、観ていて飽きるものではありませんでした。

途中本当に寝てしまいましたが、寝落ちではなく寝ようと思ってしっかり動画を止めて寝たので、別に間違ったことをしたとは思いません笑

途中で寝て記憶を適度に消してから後半の長回しに挑むのもこれまた一興だと思える映画です。

一応娑婆に戻って妻の死を知らされた元ヤクザが、同僚の婆さんの旧い友人を探す傍ら甥を回収しに行く話だとは思いますが、本当に侯孝賢に輪をかけて人物把握が難しいので、それであっているのかよく分かりません笑
あ