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戦国自衛隊のMiYAのレビュー・感想・評価

戦国自衛隊(1979年製作の映画)
4.5
千葉真一を追悼して久々の視聴。

といっても今まで多分10回以上は見てますね。日本映画に限れば確実に5本の指入るくらい大好きな映画!

現代の最新兵器をもった自衛隊が戦国時代の軍勢と戦うという奇想が素晴らしいのは言うまでもありませんが、クライマックスの川中島の戦いなど、名シーン、名アクションの連続なのが凄い。特に無敵のヘリコプターが真田広之1人の手によって落とされてしまう衝撃!(彼がヘリから飛び降りるシーンは何度見ても興奮します)。JACの面目躍如たる忍者による一死乱れぬアクションも見事です。もちろん竜雷太の「まだ子どもじゃないか」も名シーンです。

そして、隊員たち群像劇としても優れており、現代に思いを残してメソメソする者、逆に戦国時代に馴染んでいきいきする者、自暴自棄になる者、凶暴になる者など、隊員たちが様々な本性を曝け出していくところが哀しくもあり恐ろしくもあり。とりわけ、次第に「戦場の鬼」と化していく、千葉真一演ずる伊庭三尉の迫力は凄まじいです。

そんな中、圧倒的に優位のはずの自衛隊は、一人また一人と隊員が斃れていく。最後に哀れにも全滅。この無常感こそが本作が名作たるゆえんかと。

ついでに、忘れちゃいけないポイントは、自衛隊が本作の撮影に一切協力してないところ。だから自衛隊員をヒーローに描いてないし、めためたな敗北を描くことができたわけですよね。この後リメイクがいくつか作られるんですが、自衛隊の宣伝になってしまってダメなんです。
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