一人旅

アメリカン・ゴシックの一人旅のレビュー・感想・評価

アメリカン・ゴシック(1986年製作の映画)
4.0
ジョン・ハフ監督作。

『ヘルハウス』(1973)のジョン・ハフが1986年に手掛けた猟奇ホラーで、孤島に不時着した若者たちを待ち受ける恐怖の一部始終を描きます。若者を死に至らしめる一家の主を名優ロッド・スタイガーが演じます。

シアトルを出発した小型飛行機が故障し、見知らぬ孤島に不時着した若者男女6人が、そこで自給自足の生活を送っている5人家族に襲撃されていく様子を描いたホラー映画で、リア充若者が僻地でマッドファミリーに襲われるというシチュエーションは『悪魔のいけにえ』(1974)を素直に踏襲しています。

孤島の一軒家に若者たちを快く迎え入れてくれた老夫婦&三兄妹の邪悪な本性の発露と恐怖の惨劇を不気味な空気感覚の中に描き出した猟奇サイコホラーの佳作で、若者たちを恐怖のどん底に突き落とすマッドファミリーのキャラクター造形もその異常性を漂わせた優れたものとなっていますし、“遊び感覚”の殺害シーンや醜悪な長女が愛でる赤ちゃんミイラの異様な光景が不気味さに拍車をかけています。

蛇足)
崖上のブランコの紐を切り離して転落死させるシーンは笑いそうになりました。
一人旅

一人旅