ウシュアイア

劔岳 点の記のウシュアイアのレビュー・感想・評価

劔岳 点の記(2008年製作の映画)
3.8
<今日は山岳映画特集①>
(趣味で山に登っていた時期よりも前に観たものが多く、今と感想が変わっているかも。)

『劒岳 点の記』
明治時代末期、陸軍参謀本部陸地測量部測量官・柴崎芳太郎に日本地図最後の空白地帯を埋めるため、未踏峰とされてきた剱岳への登頂と測量の命令が下り、未発達な測量技術と登山装備の中、山麓の案内人・宇治長次郎とともにチームを作り登頂に挑む。

映画館で観たのは間違いないのだが、記録がないので思い返して投稿。

映画館に通うようになってから間もない頃に観た作品なので、山岳映画と呼べる作品を観たのはこれが最初のような気がする。後に他の作品を見て分かったことだが、山岳映画の多くは悲劇が多い中、ハッピーエンドということで、他の作品より刺激は少ないものの、十分に映像美を楽しめた気がする。

いい意味でも悪い意味でもストーリーから映像に至るまで日本的。

未発達な測量技術と登山装備で、香川照之扮する朴訥とした案内人と信頼関係を築いて、近代装備を身に付けた日本山岳会のチームに初登頂争いを制する、という日本人が好きな「努力・友情・勝利」の物語である。地元住民の山岳信仰から剱岳への畏怖の念からの反発など、そうした展開も日本独特であり、興味深かった。

あとは何といっても立山連峰の映像が美しい。
立山黒部アルペンルートを通り抜けるツアーに参加したり、海外あちこちめぐったものの、美しい山並みの景色は世界各地にあれどもやはり立山連峰・北アルプスは世界屈指の美しい山脈だと思う。
カメラマンとして活動してきた木村大作監督が撮った作品ということもあり、映像美は圧倒的だと思う。
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