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砂の城のfujisanのレビュー・感想・評価

砂の城(2017年製作の映画)
3.6
いわゆる米軍もの。戦闘シーンもありますが、戦争の目的そのものを問う「アメリカ万歳ではない戦争映画」でした。

この映画はイラク戦争初期、自軍の攻撃によって破壊してしまった水道ポンプ場を地域住民のために復旧しに行く米軍部隊の物語で、退役軍人の方の経験を基にしているようです。

映画のタイトルは「砂の城」。これは、作ってはすぐに崩れるというモチーフなのかもしれません。

ニコラス・ホルト演じる主人公の青年オークルは生死をかけた戦場で、自分がやっていることの目的を見失っていきます。

オークルが自国を離れてイラクに来た目的は、学費を稼ぐため。学費のためにイラクへ行き、命がけでイラク人のためにポンプ場の水道管を直しますが、一方で、イラクでは大学の学費は無料。

現地では部隊の仲間に死者も出てしまい、結局オークルは帰国することになりますが、帰国のために戻った バグダットのベース基地ではプールもあり、蛇口をひねればシャワーの水も豊富に出ます。水が出なくなった地域では、一滴の水も大切だったのに。。


地味ではありますが、良い映画だったと思います。
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