ゆみな

砂の城のゆみなのレビュー・感想・評価

砂の城(2017年製作の映画)
3.5
Netflixで観賞しましたよ。勿論ニコラス・ホルトくん目当てです。

2003年の戦時中のイラクが舞台。冒頭から新米兵士のオークル(ニコラス・ホルト)は自分の手を車のドアで挟んで傷つけているんだよね。危険な任務には関わりたくなくて、戦いを避けることばかりを考えてる青年なんですよ…彼は。しかし彼の願いも虚しく、アメリカ軍が空爆で壊してしまった給水系統を復旧させる任務につくことになります。これが序盤のあらすじね。

戦時中が舞台の映画なんだけど、実際に戦う場面は物凄く少なくて、大半は地元民の為に水を供給したり穴掘ったり…って作業が続くんですよね。地元民の為にやっていることなのに、地元民は誰1人協力してくれない。彼は新米兵士なりに現状の厳しさを受け止め、なんとかよい方向に進むように彼なりの努力をします。それ故にまさかの展開に私まで放心状態になりましたよ。あれはないわ…。
そして、逃げ出したいと思っていた場所に、居座りたいと懇願するようになるラスト。やり遂げられなかった想いと、残る者への信頼が彼の心を動かしたのかもしれない。ハーパー軍曹役のローガン・マーシャル=グリーンとの関係性も良かったですよね。
地味に思える話ですけど、ひとりの人間の心の変化が丁寧に描かれたいい作品だと思いました。どんなに頑張っても願っても…報われない事もある。リアルな現実に打ちのめされるけど、確かに彼は一回りも二回りも逞しくなったと思う。また会えるかどうかもわからないのに約束を交わすシーンは胸が熱くなったなぁ。余韻の残る作品。
ゆみな

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