ケーティー

ジュラシック・ワールド 炎の王国のケーティーのレビュー・感想・評価

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※MX4D吹替版にて鑑賞。

斬新な作り方、ラストの息もつかせぬ展開で圧倒された作品。


ラストの畳み掛けるような終わり方に、すごいものを観たなと圧倒されてしまい、頭が空洞になったような感覚が観た後しばらく続いた。そんな作品。
正直なところ、オープニングこそ、いきなり迫力あるシーンでわくわくするが、前半は作りが下手だとか、今は昔のようにお金が使えないからこんな作り方をしているんじゃないかと思った。しかし、それは全くの見当違いだったのだ。本作の構成の上手さは、オープニングでこそ、迫力あるシーンを見せながらも、中盤すぎくらいまでは、伏線を気づかぬようちりばめつつ、描写を抑えているとにある。

※以下は、ネタバレになりうる記述を含みます。




まず伏線という意味では、細かな伏線もあるのだが、話の大きな骨格として、二つの場所のシーンがカットバック的に同時進行するということである。島に行ってから、なぜこんなにカットバックで別の場所を出すのか、そこまで子どもは出す必要があるなかと謎だったが、ラストでそのカットバックで見せられていた二つの場所がつながるとき、これには大きな衝撃を受けた。もちろん、展開として特別斬新ではないのかもしれないが、少なくとも、まさか二つが一つになるとは予想できない、いや、予告などでも予想させないように出来ており、うまい。

次に描写については、密室でパニックという型のものが中盤くらいまでは多く、予算などの都合上、恐竜をあまり出さなくてもうまくいく、こうした手法を多用しているのではないかと穿った見方をしていた。しかし、これも全くの杞憂で、島でも別の場所でもしっかり恐竜がたくさん出るダイナミックなシーンが用意されており、むしろ、こうした抑えた表現の連続があるからこそ、CMで出てくるような恐竜大行進のシーンに興奮してしまう。このあたりは、テレビのようにチャンネルを変えられない映画ならではの特性を生かしているともいえるだろう。

まだまだ上手さや見所はあるはずだし、とにかく面白かったのだが、どうして面白かったのかが完全に分析しきれない自分もいる。またじっくり観て、色々発見したい作品。