ワルキューリ

ジュラシック・ワールド 炎の王国のワルキューリのレビュー・感想・評価

3.7
「炎の王国」からノアの方舟に載せられ脱出した恐竜たちとオーウェン、クレア。しかしその先に待ち受けていたのは「堕ちた王国」だった―

前作にも登場したイスラ=ヌブラル島からの脱出劇、さらに場所を移して閉所での追跡劇というひと粒で二度おいしい。

ある意味で原点回帰を目指したような、恐竜や命そのものを生み出した責任、さらに創造主となる人間が欲にまみれ堕落してゆくさまにかなりの時間を取っている。
大自然そのものの美しさを秘めた恐竜と違い、人工的に作られた新恐竜の醜さ。望んで生まれたとは言えない「彼」にも生きる権利はあるのか。最後にあの人が下した決断は自分とは違うものだったけど(『寄生獣』でミギーが言っていたように)人間にそんなことを決める権利なんてないのかもしれない。
…とはいうけどぶっちゃけ次回作用の引きに思えたし、その意味で最も欲深いのは制作陣っていう思いも拭えないけどw

物語上のテーマに軸足を置きすぎて「モンスター映画」としてのインパクトは弱いのが惜しいけど、終盤のあの場所の戦いはなるほどと思ったり。一般人の家じゃいくら中型恐竜とはいえ床抜けるだろうし。
あと、あのラスボスは嗅覚が鋭い…と言われてたけど獲物を目の前にして気づかなかったのはなんでだろ?あそこは伏線回収できそうだったので少しもったいなく感じた。