マヒロ

ジュラシック・ワールド 炎の王国のマヒロのレビュー・感想・評価

3.0
前作の事件で、恐竜たちを残したまま打ち捨てられた「ジュラシックワールド」だったが、島の活火山が噴火の危機を迎えており、恐竜たちの身に危険が迫っていた…というお話。

幕開けでいきなりテンションMAXなアクションシーンをぶち込んで、こちらを一気に引き込む導入が良かった。かと思えば後半は初代オマージュっぽいお屋敷内での隠れんぼがあったりして、かつてゴシックホラーな『永遠の子供たち』を撮っていたJAバヨナの本領発揮という感じで、こちらもなかなか面白かった。

人間のエゴで振り回される恐竜という構図は相変わらずで、正直そろそろ食傷気味ではある。今作の悪役恐竜であるインドラプトルも、漫画かってくらい属性盛りだくさんだった前作のインドミナスレックスと比べると明らかにインパクト弱いし、新機軸といえば前述の洋館のシーンだったりもするけど、このシリーズでやることかと言われると微妙なところがあるし。
やたらとフィーチャーされる少女の正体も、ラストを見るに、そのオチを誰も批判されないように付けたいがためだけに生み出されたかのように思えて、そうでなかったとしても蛇足だろう。
(『エイリアンコヴェナント』でやたらとアンドロイド周りの話ばかり出てきたときのそれじゃない感と似てる)

といってもあの皮肉っぽいラストは結構好きで、最早あそこでシリーズ終わってたほうが綺麗なんじゃないか?という気すらした。
こうなってくるともう主人公たちの動向にもあんまり興味なくなってきたので、次回作では、散々人間に好き勝手された恐竜達が良きも悪きも関係なく喰い殺しまくるみたいな作品であれば溜飲も下がるけど…まぁそうはならないだろうな。

(2018.56)[20]
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