爆裂BOX

ムーンライト・オブ・ザ・デッドの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

2.3
借金問題で弟を𠮟責していたベンは、気づくと森の中で倒れていた。同じ頃、パーティーをしていたはずのグループも気付くと森の中の一軒家で意識を取り戻していた。やがて日暮れと共にゾンビが現れる…というストーリー。
「バリケード」のティモ・ローズ監督によるドイツ産ゾンビホラー。
ベンは弟の姿を探して付近を捜索するが、出会うものはよくわからないことを言うばかり。一軒家のグループもラジオから流れる「ここはムーンライトマウンテンで、12時に彼が来るまでに選択しなければならない」という不気味なメッセージに不安に駆られる中、12時を迎えてゾンビが現れるという内容です。
6人の男女が見覚えのない森の中で直近の記憶を失った状態で目覚めるというミステリータッチな始まり方をしますが、舞台となる森が何処なのか、なぜ彼らが迷い込んだのかはよっぽど鈍い人でも中盤位には見当付くでしょう。冒頭のテロップでどういう世界観なのかネタバレしちゃってますし。主人公であるベンや、一軒家のグループが出会う謎の老女や駐車場の管理人を名乗る謎の男がネタバレにならない様に回りくどく遠回しに事態説明する所が虚しさ感じます。
前半は台詞で伏線敷いてダラダラと進みますが、地面に落ちた鍵を拾うシーンや何者かに叩かれるドアを不安げに眺めるシーンを妙に長く引っ張ったかと思ったら、登場人物が出て行ったあとそのままどこ行ったか分からなかったり、状況説明的なシーンすっ飛ばしたりして編集が粗いので見てるうちに何かわけわからなくなってきます。ベンと一軒家のグループが合流して、協力してゾンビに立ち向かうかと思ったら、本当に終盤まで中々合流しないのももどかしかったですね。後、主人公ベンがアドバイスくれる謎の老女に妙にエラそうな物言いだったり、途中一軒家のグループに焦点当たって主人公なのにまるで出てこなくなるところあるのも気になりましたね。
後半、ゾンビが現れてからはアップが多くてライティング暗くてわかりにくい所ありますが、身体から触手がビュルビュル飛び出して来たり、喉引き裂いたり、ゾンビが女性をノコギリでメッタメタに切り裂かれたりとジャーマン・スプラッターの面目躍如とばかりに汚らしいグロ描写出てきます。ゾンビメイクは血糊で汚したようなメイクですね。お食事シーンはちょっとだけでした。
合流したベンとティムが戦う骸骨の化け物はもっとハッキリ見せてほしかったですね。機関銃や拳銃撃ちまくる所はちょっと楽しかったので。
最後のオチは予想通りですが、生き残った二人は現世に帰れたんだろうか?選択した瞬間いきなり痙攣して光り出す所はちょっと笑ってしまいました(笑)
その世界観など、以前レビューした「サンズ SUN OF THE DEAD」にちょっと似てる印象受けました。
ゾンビは出てきますが、どっちかというと「世にも奇妙な物語」のような作品でしたね。作品としては地雷すれすれな作品なので、Z級ジャーマン・スプラッター好きな人にしかお勧めしません。