バナバナ

ゼロの焦点のバナバナのレビュー・感想・評価

ゼロの焦点(2009年製作の映画)
3.5
地上波放送を録画して見ました。
私は原作未読ですが、戦後の女性が主役のミステリーとなると、やはりこういうテーマになりますね。

禎子(広末)の名探偵ぶりに驚きますが、義兄も相当な名探偵ではないでしょうか。
犯人の過去は、あの時代のどんなお嬢様でもすぐピーンときちゃうほど、生々しいものだった…ということなのかな。

しかし、私は他の映画やミステリーなどによって、この過去の時代の雰囲気をある程度知ってますが、若い人が見たら、登場人物たちがどうしてここまで苦悩するのか、どうしてこんな事件が起こったのか、という根本的な部分が、この映画単体からは理解できなかったのではないでしょうか。
特に夫が失踪した理由「生まれ変わりたかった」というのが、原作には詳しく書かれているのでしょうが、映画では全く説明がなかったので、原作を知らない私には、この旦那の行動だけが一番理解できませんでした。

俳優さんたちの演技はすばらしかったですが、禎子が真犯人に向かって「あなたは私の夢を奪った」という台詞には、ちょっとムカつきました。
あんたは大学も無事出してもらったし、たいした苦労してないやんか!と。
逆に、犯人の傷だらけの顔は心の中を象徴しているようで、本当に痛ましかったです。
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