ハリマ江戸

ゼロの焦点のハリマ江戸のレビュー・感想・評価

ゼロの焦点(2009年製作の映画)
3.9
敗戦後の復興期の日本。
激動の時代に翻弄された女性達。
我が身を酷使し、その深い傷をひた隠しにしていきざるをえない。
決して、知られたくない過去、深く閉ざした過去。
運命の悪戯か、その扉が開かれようとする時、死神が動き始める…。

昭和32年
広告会社勤務、十歳年上の彼ケンイチとお見合い結婚をした女。
無口な彼をほとんど知らない。

ケンイチは、東京赴任に先駆け、後任に仕事を引き継ぐため一週間金沢へ。見送りの上野駅、それが彼の最期の姿に。

一週間後、荷物は届けど帰らぬ夫。
夫の手掛かりを探しに金沢へ。
海岸であがった無惨な死体。

夫の足跡を辿ると不審な事が、次々と…。
知らぬ間に下宿先の変更。
チラつく女の影。
巡査をしていた過去。

ケンイチの兄の不可思議な死。
その現場で目撃された赤い服の女。

夫が懇意にしていた、取引先の社長。そして社長婦人。

やがて明かされる、ケンイチの巡査時代、娼婦狩りで出会ったパンパンとは…。


戦争は、子供をさっさと大人にしてしまう。

戦後の動乱に巻き込まれた女達。
パンパンをしなければで生きていけない。
その運命に立ち向かう女性達、女性は強い。

最後に女性市長が当選、誕生するってのが、女性に日が当たり始める、兆しなのか。

この暗さ、たまに見るのもいいね。
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