イチロヲ

完全なる飼育 赤い殺意のイチロヲのレビュー・感想・評価

完全なる飼育 赤い殺意(2004年製作の映画)
3.5
借金苦から脱出するため強盗殺人を働いた青年(大沢樹生)が、潜伏先の一軒家にて訳ありの女性(伊東美華)と遭遇する。ピンクの帝王・若松孝二が「被害者が逃げなかった誘拐事件」を映像化している、エロティック・サスペンス第6弾。

ロケ地は、厳冬期の新潟県六日町。主人公が「他人の監禁行為」に第三者として介入するという物語構成になっており、過去作からの換骨奪胎に成功している。シリーズ初のヘアヌードにも注目すべし。

監禁行為の犯人役を演じているのは、満を持しての登場となる佐野史郎。偏愛主義者の中年男を見事なまでに表現しており、「映画で頭のおかしい人を観ることほど、楽しいことはない」の法則を楽しむことができる。

一方、被害者役を演じているのは、当時22歳の伊東美華。程よい肉付きのスレンダー体型と隣のお姉さん的な雰囲気が印象的。「隷属の歓びと新たなる旅立ち」という、ポルノ映画の要点が無難に盛り込まれており、いぶし銀のような渋さが感じられる。
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