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モンテカルロ・ラリーの一人旅のレビュー・感想・評価

モンテカルロ・ラリー(1969年製作の映画)
5.0
TSUTAYA発掘良品よりレンタル。
ケン・アナキン監督作。

モンテカルロ・ラリーに参戦した人々の波乱の競争を描いた群像コメディ。

『史上最大の作戦』(62)、『バルジ大作戦』(65)のケン・アナキンが監督を務めたカーアクションコメディの娯楽作で、欧州5か所の地点からシャンベリーを経由してモンテカルロを目指す「モンテカルロ・ラリー」に参戦した、イギリス人・ドイツ人・イタリア人・アメリカ人ら15か国のレーサー達が繰り広げる熾烈なカーレースの模様をコメディ色万点に活写しています。

一応はカーレースのかたちを採ってはいますが、お国柄が良く表れた個性豊かなキャラクター達が織りなす騒動が楽しさいっぱいに描かれたエンタメ作で、道を間違えてスキー場に乱入したり、水浴び中の女子3人組に心奪われて道草を食ったり、ライバルを睡眠薬で眠らせようとしたり、真っ赤な嘘をついて警察の職質から逃れたり、どさくさに紛れて盗品の宝石を運ぶ脱獄囚が参加していたり―と、レース以上に愉快な珍騒動の数々に焦点をあてたコメディ作品となっています。

『グラン・プリ』(66)や『栄光のル・マン』(71)といった真面目なカーレース物とは対極の、『デス・レース2000年』(75)や『激走!5000キロ』(76)、『キャノンボール』(80)に近い作風が持ち味のカーレースコメディで、レーサー同士のお馬鹿な足の引っ張り合いがコミカルに描かれると同時に、“困った時にはお互い助け合う”―というフェアプレーの精神が清々しい印象の快作に仕上がっています。
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