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裸足の季節のnyakoのレビュー・感想・評価

裸足の季節(2015年製作の映画)
4.3
トルコ出身、フランスで映画を学んだ監督の少女時代に経験した出来事を基に作られたらしい

小さな村に住む五人の姉妹。
その末っ子13歳ラーレの目線で五人姉妹の試練が続く。
海辺で行われた学校の友人たちでの男女混合の騎馬戦がきっかけ。
それを見ていた近隣のおばさんの告げ口で、破廉恥だと激怒した父親

彼女たちは高い柵や格子や鍵で、家の中に文字通り監禁されてしまい、来る日も来る日も花嫁修行に明け暮れる。
与えられた服は土のような色のワンピース。
その頃、トルコでは女性観客にだけスタジアム解放したサッカー試合が行われていた。そして、同じ村の女性たちも乗り合いバスで続々スタジアムに集まる姿も描かれていたりもしているのに

性差別問題でよく描かれるのが、実は同性が味方とは限らないってこと。
今回も孫を大事に育ててくれた味方であったはずのおばあちゃん、近所の告げ口おばさんなど、女性とはこうあるべきというものに囚われた人たちが娘たちの前に立ちはだかる

息苦しい毎日の中から、少しでも心の自由を見出そうとする彼女たちの姿はとても美しい。
しかし鉄格子の牢獄から強制的な婚姻という別の牢獄へと連れて行くことを周りは決めていて、姉たちはひとりまたひとりとそれぞれ違った結末を迎えてゆく。
そんな中でも古い因習に勇敢に立ち向かおうとする末っ子の強い意志。その道程はとてもスリリングだった
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