あまり目にすることのないトルコ映画。
古い慣習と封建的な思想のもと自由を抑え込まれた5人姉妹。学校にも行けなくなり、家に閉じ込められた彼女たちに与えられたのは良妻になる為の修行のみ。
こんな窮屈な生き方を強いられるなんて、いつの時代の話だよと思ったが、パソコンや携帯電話が使われていたので少なくとも今から30数年前よりは後の設定であろう。
鑑賞後にネットで調べたところ、本作の監督が実際に経験した事も映画シーンに取り入れられているそうだ。
イスタンブールなどの大都会では違うのかもしれないが、トルコの女性に対する一般的な考え方や扱いが透けて見えた。イスラム教の影響が大きいのだろうが、この保守的な考えや閉塞感が現代ではどこまで寛容になり解放的になったのか気になるところだ。
世界銀行が2022年3月に発表した男女格差指標(Women, Business and the Law、WBL指標)によると、男女の格差が最も小さい国はベルギー、カナダ、デンマークなど12カ国でヨーロッパの国が多い。
日本は190カ国中103位で、移動、職場、賃金、結婚、育児、起業、資産、年金の項目の中で、賃金が最も格差が大きく100点満点で25とのこと。職場が50、起業が75、結婚が80で他は100。
ではトルコはどうかというと、77位で何と日本よりも上位にいる。項目ごとの内訳では年金が50、賃金と起業が75、結婚と育児が80で他は100で、職場と賃金は日本を上回っていて、ちょっと驚き。
世界から見て日本は就業関係での男女平等をもっと進めないとまずい立場にいる訳だ。
なお、この調査はあくまで制度面の調査のようなので、その制度が実際に正しく機能しているかまでは反映されていないし、男性が女性を下に見る傾向が掴めるものでもないので注意が必要。
WBL指標の説明については以下をご覧ください。
https://memorva.jp/ranking/world/wef_global_gender_gap_report.php
