いけだん

裸足の季節のいけだんのレビュー・感想・評価

裸足の季節(2015年製作の映画)
4.2
結婚相手は親が決め、結婚するまで純潔であることが当然という保守的な家父長制度が残るトルコの田舎に暮らす5人姉妹の話。

今もトルコで現実にある(むしろ酷くなっている)女性の地位の問題という、重くなりがちなテーマを、5人の少女たちの行動や明るさそして美しさがライトにしてくれ、引き込まれる作りでした。だけど、重い現実を伝えることも怠らないバランスが素晴らしい。

閉塞感のある中でも少女たちの輝く様子がまた魅力的でした。
少女時代に誰もが持つであろう感情が5人姉妹を通じて表現されているように思います。
観ている側が思わず微笑む場面が多かったと思います。

運命は全て自分の選択ではないという現実を拒絶し、脱出しようとする5人姉妹の一番年下である主人公を自然と応援したくなります。エンディングは開放感のある演出で、「希望」を感じました。美しい曲が余韻を残す終わり方で好きです。

ちなみに、「MAD MAX 怒りのデスロード」のフェリオサに感銘を受けた人は今作には必ず感銘を受けると思います。
自分の力で自由を勝ち取る女性たちという意味で共通しています。
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