クリムゾンキング

ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出のクリムゾンキングのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ヨーロッパ戦線終結の1945年5月8日にリリベットことエリザベス王女と妹マーガレット王女が民衆と共に戦争終結を祝ったという出来事から着想された作品。

窮屈な宮殿生活の嫌気がさしてるマーガレットと共に外出するもバッチリ護衛の者がついていてやっぱり窮屈、ホテルリッツで舞踏会に参加するはずがマーガレットが抜け出したことで責任感の強いリリベットは連れ戻そうとするがどんどん迷子になっちゃう!そこへたまたまバスで乗り合わせた脱走兵の青年と「外の世界」を見て回るうちに彼女の中で何かが変わろうとしていた。

やっぱりプリンセスは気品があってお転婆でないとね!

お忍びで外出するのにそのドレスじゃ絶対お忍びじゃないと思うのw
という世間とのズレだったり大群衆に押されてあれよあれよと流されていってしまう定番のコメディ演出など、軽快なジャズに乗って描かれていて観ていて楽しい。

一方で、戦争終結に浮かれ国王万歳と浮かれる人たちと実際に戦争に行き夢も希望も打ち砕かれて「綺麗事言ってるんじゃねーよ」と戦争の無益さを痛感しているジャックとの対比、廃墟で暮らす人々などを見て現実を目の当たりにして「王位継承者」としての意識をより高めていくリリベットなど、夢と現実、そして成長過程もしっかり描かれていて良かった。

そして荒れ道を軽快に車でぶっ飛ばしていくラストで実にカラッと終わり、なんだかんだ明るい気分にさせてくれるとても楽しい作品だった。