ノラネコの呑んで観るシネマ

ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

4.2
対独戦勝の日、若き日のエリザベス女王が一晩お忍びで宮殿の外へ出た、という史実から着想されたもう一つの「ローマの休日」的物語。
エリザベスははぐれた妹のマーガレットを探して、お祭り騒ぎのロンドンを歩き回る。
グレゴリー・ペックの役は王室嫌いの空軍兵。
これは御伽の国のお姫様が、戦争で疲弊した現実の世界に足を踏み入れる逆ファンタジー。
生まれてから宮殿の中しか知らなかったエリザベスは、初めて市井の人々と触れ合い、父王がどう思われているかを知り、一夜の淡い初恋を経て、英国民のために良き女王となる決意をする。
エリザベスを演じるサラ・ガドンがとても魅力的。
父ジョージ6世を描いた「英国王のスピーチ」と合わせて観るとより楽しめる。
しかし生まれた時から運命が決まってるんだから、王皇族も大変だな。
本作はほぼフィクションだが、皆どこかできっかけを掴んで、現実に折り合いをつけるんだろうな。