ヤックル

ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出のヤックルのレビュー・感想・評価

4.0
王室の中からしか世界を観ていなかったエリザベス王女の成長譚。
勝利に沸くロンドンの熱気、戦争で傷を負いながらも気丈に生きる市民を目の当たりにすることで、人間的に一回り大きく成長する姿には胸を打つ。
そんなエリザベス王女を演じたサラ・ガドンがとても魅力的で、その立ち振る舞いや表情から上流階級ならではの気品を感じられる素晴らしい演技でした。

で、この映画の舞台は終戦直後のロンドンとなるため、戦勝側とは言え映画のトーンとしては重くなるのかなと思いきや、天真爛漫なマーガレット王女や護衛兵がコメディリリーフの役割を果たしていたため、予想に反してとても軽やかな映画に仕上がっているのも特徴的。
責任感のあるエリザベス王女だけではこの軽さは出せなかったと思うので、そういう意味ではマーガレット王女の存在は大きかったと思いました。
ベル・パウリーの愛嬌ある顔立ちも、(個人的に好みの顔ではないけど)マーガレット王女のおてんばさとマッチしていて魅力的。

幕の閉じ方が個人的にはちょっと描きすぎかなぁと感じたけど全体的にはレベルのストーリーテリングと、エリザベス王女とマーガレット王女、まったく違う魅力を持った二人の王女(とそれを演じた二人の女優)を堪能できる満足度の高い映画でした。
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