きぬきぬ

ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出のきぬきぬのレビュー・感想・評価

3.4
よく‘ローマの休日’と比べてる感想を見かけるけど、違うよなあ。
26、7歳で即位した現エリザベス女王が、女王となる前の19歳のときに、非公式で一夜外出をしたというのは実話らしい。
後継ぎとしての自覚と責任はあるけど、王宮を出れば世間知らずの娘。羽目を外し過ぎるつもりもなかったのに、共に外出した無邪気な妹マーガレット王女のお陰で、終戦を迎えてお祭り騒ぎのロンドンの町で気の良い空軍兵士の若者と出逢い、一人では何もわからないし出来ないしお金も持っていないから彼を巻き込んでの妹探しの冒険となってしまう。
エリザベス王女のサラ・ガトンは美しく凛々しく、兵士を頼る姿は上からで強引でときには大胆だけど、傲慢にも高慢にも見えない、女王となる教育を受けて来た市井を知らない娘としてとても良い。町での出来事や人々を注意深く見る視線もある。
狂騒の一夜の中で、彼女を王女と知ってもひれ伏すことのない兵士に普通の娘のように扱われることがささやかな歓びでもあったのではと思う。普通の人として生活したいと思う彼女の夢物語は心の中にあるのだろうなあ。恋でさえ自由ではないから。
女王がエミリー・ワトソンで国王がルパート・エヴェレット(がむっちゃ良い味出してる!)
1945年の町の美術や空気がとても良い。
きぬきぬ

きぬきぬ