れい

イノセント15のれいのレビュー・感想・評価

イノセント15(2015年製作の映画)
4.0
性や暴力を敢えて写さない映像は二人の内面に目を向けさせ、多感な15歳の刹那の解釈を観る者に託す。友情と愛の揺らぎを主演二人が好演。寄り添う岡田太郎さんの音楽も印象的。

萩原利久くんは「あゝ、荒野」とは違い、少年特有の不安定な色気に満ちていて見違えた。彼のセクシャリティに関わらず、人を好きであるという実感が持てないことが悲しすぎた。成美にしても、つるんでる仲間にしても。「好きじゃない」「友達じゃない」そんな言葉が辛い。

そんな彼が安らぐ未来を、ラストシーンの小川紗良ちゃんの瞳の中に見た。もう少し明確に幸せの予感が欲しいと思いつつ、この映画独自の切なさには大きく貢献したラストだと感じた。
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