ZinFuzisima

ハードワイヤー 奪われた記憶のZinFuzisimaのレビュー・感想・評価

3.1
「ハードワイヤー」

2009年公開のSFアクション映画である。

遠くない未来。巨大企業が情報を席巻し、広告が世界中に至るところに設置され、あるいは投影された世界。資本主義が巨大化した世界にあり、ある男は妊娠間近の妻と店を出て車で家に帰ろうとした。そこへ車が突っ込んできて、2人は意識を失う。目覚めた時、彼は記憶を失い頭の中にマイクロチップが埋め込まれていた。すると世界は激変する。目の前に広告が現れ、知らない女に酒を進められ、知らない男に時計を進められ、男は混乱状態で逃げ出す。すると監視カメラで監視する巨大企業は彼の脳へ電波を送り、脳に激痛を与えた。そして制御できないとわかるやいなや、頭を爆破しようとする。そこへメッセージが現れ、彼の痛みは失われ、メッセージに従い、進んでいった先には、企業の人体実験を阻もうとする数名の反乱者たちがいた。

本作はサイバー空間といういわゆるマトリックス的な世界に意識を没入させることはなく、内蔵チップを外側から遠隔操作して、情報を与え、それが目に見える形で空中に現れるという仕組みになっている。

まず最初にこの映画を観た時に、世界中に広告がある世界というのが、非常にリアルだと感じた。このまま進むと世界は広告まみれになってしまう。それを皮肉に暗示したのだろう。さらにチップを埋め込まれることで、自分にしか観えない広告が現れる。これはインターネット動画と同じだろう。意図しないところで広告が不意に現れる。これもリアルに感じた。

本作はサイバーパンクというSFジャンルの一つに分類されうのが、リアルな歴史の延長線上にある世界観だと個人的には感じて観ていた。
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