ジョセフ・サージェント脚本作
「ファニア歌いなさい」
収容所という救いようのない場所とか弱い演奏で胸が苦しくなる作品です。
ホロコースト映画ではありますが、ファニア・フェヌロンは、ガス室に送り込まれたり、銃殺されたりするユダヤ人を傍観している立場です。何か思惑があるのでしょうか、惨劇シーンはありません。想像力に委ねるととてつもない恐ろしさがこみ上げてきます。
この作品で驚いたことは、ガス室に送り込まれる人々を慰めるための演奏ではなく、ナチスの慰安の為に演奏していることです。自分たちの存命の為に演奏をし、他のユダヤ人の惨殺を待ち続ける。
重い…
さらには、収容所には純ユダヤ人とアーリア人も混在しています。人種を超えるのが音楽であるはずなのに、音楽によって対立するようにも見えました。
ここには生と死しかない。
印象的な台詞でしたね。