keith中村

アザー・サイド 死者の扉のkeith中村のレビュー・感想・評価

アザー・サイド 死者の扉(2016年製作の映画)
4.5
 「ペット・セメタリー」と同じっちゃあ同じなんだけれど、いいところが多く好感が持てます。
 
 一昨日「海底47m」を観て感銘を受け、ヨハネス・ロバーツ監督の名を覚え、昨日過去作の「ストレージ24」を観たところ、演出というかカット割りがダメダメで、そうなるとその間に撮られた本作はどうなんだろう、との興味で鑑賞しました。
 
 いやいや、ヨハネスさん凄いな。この時点で演出力は格段に進化してるじゃん。
 「ストレージ24」との間に長篇撮ってないのに。
 「全米72ドル」にショックを受けて、徹底的に勉強し直したのかな(笑)
 
 「ペット・セメタリー」との共通点は、「死んだ子供が蘇ってくれたけど、めっちゃ狂暴になってました!」ってことだけじゃなく、両方とも「Indian」の習俗が再生装置になっている点。ここ、ちょっと面白い。
 まあ、「ペット~」への目配せのためにわざわざインドロケしたわけではないんだろうけど。
 
 スティーブン・キングの「恐怖」は、どの作品でも最終的には「暴力への恐怖」に収斂してしまい、これは彼のトラウマなんだろうし、彼の作家性でもあるから、それに良し悪しは言いませんが、本作はキングと違って、さまざまに「恐怖」が描かれていてそこに既視感だけじゃない面白みがあってよかった。
 あと、何だろうね。恐怖というか、むしろ私は本作には「切なさ」「やるせなさ」のほうを多く感じ取って、かなりウルウルしてました。
 終盤のママの発言は、泣いちゃいました。
 
 それと、ヨハネス・ロバーツ監督作を3本観て思ったけど、この人エンディングの落とし前に、いつも気が利いてるな。
 ちょっと今から、ファンになってみるわ!