青二歳

迷夢の青二歳のネタバレレビュー・内容・結末

迷夢(1936年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

1936年植民地時代の朝鮮製映画。TVで韓国人学者の先生が日本植民地時代を暗黒時代のように言っていましたから意外でした。植民地時代には日本で映画を学んだ朝鮮人監督が生まれ、朝鮮俳優による朝鮮語の映画なんてのが結構あるんですね。
同じように英領インドで製作されたインド人監督現地語の映画、仏領ベトナムで作られたベトナム人監督ベトナム語の映画、蘭領インドネシアで作られたインドネシア人監督インドネシア語の映画…が観たい!という訳で植民地時代、統治下にあった側が監督俳優を務めて現地語で製作された映画を探しています。ご存知の方教えてください。

さて本編。戦後民主主義の混乱期50年代邦画だと"若者"でよくこんな「旧弊な価値観からはみ出して好き勝手やるぜ」プロットは多いけれど主人公は“女性”。妻であり母である女性が主人公です。奔放な妻が夫と娘を捨て、己が美貌を武器に新しい男(金持ち)の元へ走り、美しい服や宝石を手に入れる。この甲斐性なし!的な台詞がバンバン出てきて家を飛び出しますが、かなり強気な女性です。
贅沢を享受するも、金持ち男は非合法な稼業らしいことが分かり、それを知った女は男に裏切られます。最後は後悔して家族の元に帰りよよと泣く道徳映画っぽいオチ。マノン…にしてはちょっと美貌の妻とは言えないけど、なんだろうな、“人形の家”のように女性の人間性の確立という訳でもない。しいて言えば、30年代ハリウッド映画の悪女者の雰囲気があります。構図やカットは際立った特徴はありませんが、プロットはまとまっていて面白かったです。

フィルムセンター…これも字幕補正して上映して欲しかったよ…読めないのいっぱいあったよ…
青二歳

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