あきしげ

白髪妖魔伝のあきしげのレビュー・感想・評価

白髪妖魔伝(2014年製作の映画)
2.5
梁羽生の武侠小説を実写映画化。
これまで何度か映画化している。

しかし、本作は一線を画す。

その理由は主演であるファン・ビンビン。
中国ナンバーワン女優とも言われている。
白髪魔女となる運命のファン・ビンビン。

前半では透き通るような白い肌と黒髪。
これだけでも息を呑むほどの美しさで、
アクションもしっかりとこなしている。

後半では裏切られた事で黒髪が白髪へ。
白い肌は病的な白さとなり眼光の変化。
まさしく白髪魔女とも言える姿になる。

それでもファン・ビンビンの美しさは変わらない。
むしろ、あれほど自然に白髪が似合っていました。

本作はファン・ビンビンの為にあるようなモノ。
彼女のおかげで本作が成立していると言えます。
なぜならストーリーがご都合主義で雑なのです。

白髪魔女を誕生させる原因となる武当山の卓一航。
こちらも美男として知られるホァン・シャオミン。
なぜか武侠映画の男の主人公は余裕を漂わせます。

ホァン・シャオミンも例に漏れず、
他とは違うという印象を与えます。
ただ、それは中盤までのイメージ。

白髪魔女となる練霓裳と出会ってから、
なぜかヘタレ的な要素が出てきました。
武当山で一番強いのに副官に勝てない。
これも白髪魔女を誕生させる為だろう。
その為に卓一航は犠牲になったと思う。

本作のラストボスである明軍副官。
演じたのはチウ・マンチェクです。
こちらは憎たらしい悪役となって、
練霓裳と卓一航の運命を変えます。
その役目をしっかり果たしました。

物語は悲恋がテーマである。
卓一航の苦渋なる選択、
練霓裳の苦渋なる選択、
二人の選ぶ道は実に悲しい。

それでも二人の愛は永遠である。
それほど二人の愛は永遠である。

そして、武侠映画だからこそ魅せるアクション。
本場のワイヤーアクションは芸術だと言えます。
一瞬でも目を離せない華麗な立ち回りは美しい。

本作を鑑賞する上で気になる点が一つ出てくるはず。
宦官の娘だが、どう見てもチャン・ツィイーである。
まさか国際的な大物女優が脇役で出るのはありえん。
そう思いながらも、どう見てもチャン・ツィイーだ。
だけど、調べて見たらトン・ヤオという女優でした。
彼女は中国で“リトル・ツィイー”と呼ばれている。
チャン・ツィイーと言われてしまえば確かにそうだ。
しかし、彼女はトン・ヤオでまったく別人なのです。

本作では多くの登場人物がいるけど、
どれもちょい役ばっかりで残念です。
本来なら本作は映画よりドラマ向き。
それほどに多くの登場人物がいます。

ただ、本作はファン・ビンビンの美しさ。
それがじっくりと堪能できるのが大きい。
ただ、彼女以外は目をつむるのが礼儀だ。

RE-163
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