梁羽生の武侠小説を実写映画化。
これまで何度か映画化している。
しかし、本作は一線を画す。
その理由は主演であるファン・ビンビン。
中国ナンバーワン女優とも言われている。
白髪魔女となる運命のファン・ビンビン。
前半では透き通るような白い肌と黒髪。
これだけでも息を呑むほどの美しさで、
アクションもしっかりとこなしている。
後半では裏切られた事で黒髪が白髪へ。
白い肌は病的な白さとなり眼光の変化。
まさしく白髪魔女とも言える姿になる。
それでもファン・ビンビンの美しさは変わらない。
むしろ、あれほど自然に白髪が似合っていました。
本作はファン・ビンビンの為にあるようなモノ。
彼女のおかげで本作が成立していると言えます。
なぜならストーリーがご都合主義で雑なのです。
白髪魔女を誕生させる原因となる武当山の卓一航。
こちらも美男として知られるホァン・シャオミン。
なぜか武侠映画の男の主人公は余裕を漂わせます。
ホァン・シャオミンも例に漏れず、
他とは違うという印象を与えます。
ただ、それは中盤までのイメージ。
白髪魔女となる練霓裳と出会ってから、
なぜかヘタレ的な要素が出てきました。
武当山で一番強いのに副官に勝てない。
これも白髪魔女を誕生させる為だろう。
その為に卓一航は犠牲になったと思う。
本作のラストボスである明軍副官。
演じたのはチウ・マンチェクです。
こちらは憎たらしい悪役となって、
練霓裳と卓一航の運命を変えます。
その役目をしっかり果たしました。
物語は悲恋がテーマである。
卓一航の苦渋なる選択、
練霓裳の苦渋なる選択、
二人の選ぶ道は実に悲しい。
それでも二人の愛は永遠である。
それほど二人の愛は永遠である。
そして、武侠映画だからこそ魅せるアクション。
本場のワイヤーアクションは芸術だと言えます。
一瞬でも目を離せない華麗な立ち回りは美しい。
本作を鑑賞する上で気になる点が一つ出てくるはず。
宦官の娘だが、どう見てもチャン・ツィイーである。
まさか国際的な大物女優が脇役で出るのはありえん。
そう思いながらも、どう見てもチャン・ツィイーだ。
だけど、調べて見たらトン・ヤオという女優でした。
彼女は中国で“リトル・ツィイー”と呼ばれている。
チャン・ツィイーと言われてしまえば確かにそうだ。
しかし、彼女はトン・ヤオでまったく別人なのです。
本作では多くの登場人物がいるけど、
どれもちょい役ばっかりで残念です。
本来なら本作は映画よりドラマ向き。
それほどに多くの登場人物がいます。
ただ、本作はファン・ビンビンの美しさ。
それがじっくりと堪能できるのが大きい。
ただ、彼女以外は目をつむるのが礼儀だ。
RE-163