前年『仁義なき戦い』に出演して実録やくざ路線のレギュラーとなった梅宮辰夫が最後に出演したエロ路線の作品、でもそんなことは関係ないと言わんばかりに嬉々としていつものようにおバカな演技を披露して観客を楽しませようとする梅宮の真摯な演技がある意味素晴らしい。
海外ポルノから招聘した女優シャロン・ケリーを絡めたストーリーは特に新味もなく通常営業の作風ではあるけれど、ポルノ映画に誰も斬新な面白さなど求めていないのでこれはこれで正しいと思う。ただ石油危機を物語に絡めてくるあたり当時からそういうことが話題になっていたのか。
あと梅宮辰夫の妹に扮する田島晴美(結構な美人)と旦那との絡みのシークエンスは日活ロマンポルノやピンクでは見たことがなく、そこだけ『愛のコリーダ』ばりに扇情的でインモラルな刺激をもたらされる(よく撮影に使うことが出来たなと感心してしまうが、大会社なので色々と便宜を図ることが出来たのだろう)。
ちなみに諸事情によりソフト化や動画配信は難しいらしく、映画館での上映のみ鑑賞が可能とのこと。
