ヘロヘロ

ランジュ氏の犯罪のヘロヘロのレビュー・感想・評価

ランジュ氏の犯罪(1936年製作の映画)
4.0

脚本はジャックプレヴェールとジャンルノワール。


ショット/

ラストショット、海岸で逃避行の二人のバックショット。

列車のレール、ヘッドライトに浮かぶ路面のが流れるシーン。

雑誌の中央が破れてその向こうから次のシーンが現れる。

バタラ元社長を殺害する決心をして階段を降りてくる主人公ランジュ。建物の外から窓越しに主人公の姿を捉えるショット。
サスペンスを盛り上げる効果あり。

内では仲間が陽気に呑み歌い、外では酔っ払いの大家が石畳の中庭で歌う中、撃たれた悪漢が地面に突っ伏して死んでいく、人生の悲哀の振れ幅が観る者の感情を掻き立てる。こういう演出が往年のフランス映画の作家は上手いなぁ。

ドラマの大半では過剰なほどに台詞を喋らせて最後は静かに終わらせる。沁みる。拍手。