エリオット

ランジュ氏の犯罪のエリオットのレビュー・感想・評価

ランジュ氏の犯罪(1936年製作の映画)
4.2
フィルム・ノワールDVD-BOXに入っていたし、タイトルもノワールっぽい感じなのだが、実際には全然そんな感じではなかった。

印刷工場で働くランジュは仕事のかたわら冒険小説を書いている。そこの社長バタラは調子のいい男で口のうまさで社員たちをまるめんだり社員の女性を自分のものにしたりしている。会社の経営がうまくいかなくなって社長が夜逃げすると乗っていた列車が事故を起こしてあえなく死亡。ランジュら社員はなんとか出版社を立て直し小説も大人気となる。ところがそこへ死んだはずのバタラが戻ってきて、会社の社長に返り咲くと言ったり、当たった小説の権利が自分があると言ったりで、ランジュはとうとう…というお話。

ジャンルノワールらしく、出てる人物が良い側も悪い側も人間臭く魅力的で、ストーリーの流れもある意味おおらかでユーモラスなところが随所にあり、観ていてとても楽しかった。

とくに終盤の宴会の場面から、ある悲劇的な出来事が起きるまでの一連のカメラワークや演出は素晴らしい。
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