【過去に観た映画】2017.2.11
さぬき映画祭にて。
「凶悪」の白石和彌監督の作品で、とても観たかった。
実在の北海道の警部の事件を基にしたもので、衝撃的問題作で骨太で衝撃的で、ズシンときた。
黒電話の時代。
今より華やかで、大らかだった時代。
人が落ちていく様が壮絶に描かれ、社会や組織の裏側、理不尽さ、闇を突きつけられ、汚れきった世界に息がつまりそうになる。
「凶悪」も実際の事件を基にしていて、人の怖さを突きつけられたが、また違った怖さであった。
正義って何だ、誰のため、何の為なんだと腐敗された社会に沈みこまれそうになる。
綾野剛の映画は何本も観て来たけど、この綾野剛がすごすぎる。
体重を10kg増減したという肉体的部分もさることながら、メンタル部分も凄まじかっただろう。
変わりゆく様に圧倒され、その演技の深さに魅入られる。
バイオレンス部分は控えめながら、エロいシーンもハンパなく盛り込んでいる。
綾野剛にこんなことヤらせるんだーとびっくりする位。
ソープ嬢、情婦、新しい女……と、その都度、女の抱き方も変わって行き、そのセックスシーンもエロい。
組織への憤り、暗澹たる気持ちになるが、最後は泣けて、泣けて仕方ない。
綾野剛の姿がせつなくて、せつなくて。