CANACO

日本で一番悪い奴らのCANACOのネタバレレビュー・内容・結末

日本で一番悪い奴ら(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

懲役9年の実刑判決を受け、2011年に出所。その後、破茶滅茶な警察官として26年勤めた自身の半生を綴った本を出版。今は八百屋と実の息子さんと運営している探偵業で生活している稲葉圭昭さんをモデルにした物語。

警察の一員として銃を取り上げる役割なのに、先輩の教えに従っているうちにヤクザとズブズブになって、懐柔してるつもりが懐柔されちゃってた稲葉警部の話。それが綾野さんが演じる諸星。

擦り合わせ済みのやらせ捜査で点数稼いで、最終的には仲間だと思ってたヤクザの黒岩(石上氏)にガッツリ裏切られて、ヤケになって覚醒剤打っちゃって、最後は密売までやって儲けてましたっていう、THE現実は小説より奇なりな話。
関係者は二人自殺。悪の巣窟なのに残りの北海道警察関係者はお咎めなしで、みんなどうしようもない。

その本当にどうしようもない警察とヤクザの連続コンボを、暗くて怖い人間の膿のような作品を撮らせたらピカイチの白石和彌監督が手掛け、監督が選んだピカイチの役者が演じている。
白石監督作品はどれも配役が凄くて、ピエールさんとか綾野さんとかはわかるけど、デニスの行雄ちゃんとかYOUNG DAISさんとかまで芝居が上手い。なぜこんなにうまい配役ができるのか不思議なくらい。

白石作品といえば面会室だが、本作にも出てくる。「凶悪」「彼女がその名を知らない鳥たち」、本作を観たが、なかなか乾かないかさぶたを心に貼り付けてくるような監督だ。「死刑にいたる病」なんて作品観てないのに予告動画だけで心に貼り付いてしまって原作を読破してしまった。
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