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日本で一番悪い奴らのPopilongのレビュー・感想・評価

日本で一番悪い奴ら(2016年製作の映画)
4.2
「凶悪」の白石和彌監督作品ということで期待して観たら、あの「凶悪」を凌駕する傑作でブッ飛び。

同じ実録犯罪物(またもやピエール瀧の存在感がヤバイい)だが、前者がひたすら陰鬱だったのに対して、今作は笑いどころと疾走感があり、劇中「チーム諸星」の4人後ろ姿というか、ストーン・ローゼズすら彷彿させるギャング感には惚れ惚れする。

後半、チームの結束は一つの裏切りから脆くも崩れ、そこからは堰を切ったように土石流のような悪夢の現実に飲み込まれていく。その描写と綾野剛の演技がまた素晴らしい。

最後の最後に「日本で一番悪い奴ら」とは誰なのか分かるシステムなのだが、よくこんなのメジャーで配給できたなっつーくらい攻めている。

個人的に一番グっときたのは、柔道チャンピオンであったはずの諸星が不良柔道少年にいとも簡単に投げられて、雪上でだらしない姿を晒すシーン。もう全てがダメになってしまい栄光は帰ってこないことを象徴する名場面。
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