きぬきぬ

バスターズ-悪い奴ほどよく眠る-のきぬきぬのレビュー・感想・評価

3.2
黒澤明監督「悪い奴ほどよく眠る」にインスパイアされて製作されたらしいけど、まあ全く別物だな。
妹の夫の自殺と暴行された姪の入院に絡んでいるらしい富豪に近づく男は、破産する妹を助け、真相を追う為仕事を辞め金に困る次第。しかしこの男(渋~いヴァンサン・ランドン。こんな役多くなったなあ)は良い男なんだけど、自業自得的な妹や、気の毒な姪に振り回されるだけでなく、富豪の美しい愛人(キアラ・マストロヤンニ)に惚れてしまい、結局自滅するしかない、なんとも哀れで虚しいばかり。

クレール・ドニの怪しい夜の描写は好きだけど、ピースを組み立て演出の行間を読むにしてはちょっと粗いかなあ。話はシンプルでフィルム・ノワール調だけど、ドニにしては物足りなさが残る。

個人的にグレゴワール・コランが観れて嬉しいけど、彼はやっぱりクレール・ドニのお気に入りかな。
きぬきぬ

きぬきぬ