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殿様ホテルのchiyoのレビュー・感想・評価

殿様ホテル(1949年製作の映画)
3.5
2016/9/3
原節子の義兄・熊谷久虎が代表を務める藝研プロの第1回作品で、原節子は女スリ役でのゲスト出演。彼女自体は中盤で早々に引っ込んでしまうけれど、全体的にコメディ色が強めでなかなか面白い。ちょっぴりおとぼけな人の好い元華族の花小路、勘違い女中にギャンブル好きな女中、真面目だけれど少しズレている元執事の番頭など、「家庭旅館」の面々が個性豊かでクスクス笑いが止まらない。さらに、花小路の思いとは裏腹に、宿泊客は訳ありばかりというオマケつき。そんな中、ヒロインではあるものの極めてまともな千代は、周りに比べると存在が薄い気がしないでもなく。それにしても、こんなにもコミカルな内容なのに、終盤で死者を出してしまったのが本当に勿体無い限り。個人的には、もっと軽い気持ちで「東京ブギウギ」を聴きたかったな、と思う。が、愛嬌のある娯楽映画で、珍しい役柄の原節子が見られる貴重な1本!
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