喜連川風連

資金源強奪の喜連川風連のレビュー・感想・評価

資金源強奪(1975年製作の映画)
4.0
深作欣二版「現金に体を張れ!」

暴力団と警察の連合体を一匹狼、北大路欣也が無茶苦茶にしていく。

「仁義」と壁に書かれた組事務所で、だましあいが行われたり、人を貶めたる皮肉に痺れる。

組織や女、賭博、家族など、背負うものがある人は最終的にそこにつけ込まれたり、執着して死んでいく。
しかし、主人公に背負うものはほとんどなく無敵の人状態。

「大金」という欲望をめぐって、人や感情がうずまく。

無駄なシーンはほとんどなく、画面いっぱいに感情が表れ、ドカンドカン爆発し、パンパン撃たれ、ちょっとお色気を交えながら、テンポよく進行し、「あぁ、面白かった」というあっさりとした感情が残る。

これぞ、邦画伝統の娯楽映画。

防犯カメラや電子決済の導入が進む昨今。
こうした映画も今や作りづらい世の中なのだろう。
生きている手触りがどんどん人間から離れていくのを切に感じた。

ゆえに70年代の実録映画のダイナミズムが面白い。
喜連川風連

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