TaiRa

マリコ三十騎のTaiRaのレビュー・感想・評価

マリコ三十騎(2004年製作の映画)
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ようやくリアルと創作の折り合いが付いて来て見易い。それにユーモアも含まれているので単純に面白い。時間軸を操作した上でむき出しの「奇行」にドラマを肉付けする。今までの不器用過ぎた自己探求を、ルーツを紐解くという軸を用意して無理なく描けてる。その過程がまた乱暴で面白い。先祖が海賊だと思い込んだ真利子が墓参りで勝手に過去を回想するシークエンスのユーモアが良い。ビーチフラッグスで真利子一族の長を決める背景で一般人が海水浴やってるのも最高。大学でのふんどしダッシュも、ある意味園子温的と言えるんだけど、そういう伝統的な「自主映画」の在り方が見られるのは悪い事じゃない。一種のパロディでもあるし。初期作を通して観ると真利子哲也が映画を作れる様になっていくのが分かって面白かった。
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